見積台帳を使っているのに、回答待ちの案件が見つからない。受注後に納期や外注の確認が抜ける。そんなとき、すぐに新しい表へ作り替える前に、今の台帳の「何を、どの順番で確認するか」を見直す方法があります。
製造業の現場で12年、見積や案件管理を含むExcelを使ってきました。ここでは特定の会社の事例ではなく、既存の見積台帳を点検するときに確認しやすい5項目をまとめます。
1. 1行が何を表すか決める
1行を「見積1件」とするのか、「品目1つ」とするのかが曖昧だと、同じ案件の再見積や複数品目を扱うときに行が増え、集計が合わなくなりやすいです。
たとえば、見積番号を案件の単位で付け、品目が複数なら枝番を付ける方法があります。顧客名や品名だけで照合せず、見積番号・枝番・改訂番号のような識別項目を決めておくと、後から探しやすくなります。
2. 状態の言葉をそろえる
「提出」「提出済」「回答待ち」のように人によって入力が違うと、フィルターや件数集計で別の状態として扱われます。
まずは「作成中/提出済/回答待ち/受注/失注」など、自分たちが使う状態を決めます。状態欄を選択式にすれば、表記ゆれを抑えやすくなります。受注後も使う台帳なら、見積の状態と製造の進捗を同じ欄に詰め込まず、必要に応じて別項目に分けます。
3. 日付をひとまとめにしない
見積日、回答期限、希望納期、確定納期は役割が違います。ひとつの日付欄を使い回すと、「いつまでに返事が必要か」と「いつ納めるのか」が分からなくなることがあります。
たとえば、回答期限を過ぎた見積を探すなら、回答期限を独立させます。受注前の希望納期と、受注後に合意した納期も分けておくと、変更があったときに元の希望と確定条件を混同しにくくなります。
4. 金額の内訳と単位をそろえる
材料費、加工費、外注費、表面処理、運賃などをすべて一つの金額欄に入れていると、あとで差額の理由を追いにくくなります。一方、細かく分けすぎると入力が続かないこともあります。
まずは見積判断に必要な内訳だけ分け、数量・単価・金額の単位をそろえます。税抜と税込、1個あたりと一式が同じ列に混在していないかも確認します。原価や利益を自動で正しく判断できる表になる、という意味ではなく、金額の前提を読み返せる状態を目指します。
5. 次に誰が何をするか残す
「回答待ち」のまま長く止まる案件は、次の確認日や連絡先が台帳から分からないことがあります。
すべてを記録する必要はありませんが、「次の確認日」「確認する相手・内容」「最終更新日」など、次の行動に必要な項目を少数だけ設けると、一覧を見たときに止まっている理由を確認しやすくなります。入力欄を増やす前に、実際に誰がその情報を使うかを決めておくのが先です。
作り替える前に、小さく試す
見直しの前に、元ファイルを複製しておきます。そのうえで、通常の見積、複数品目の見積、改訂があった見積など、手元にある代表的な数件で入力・検索・集計を試します。そこで困る箇所が特定できれば、全体を作り直さず、状態欄や検索条件など一か所から手を入れられる場合があります。
どの列を直すか決めにくいときは、まず「探すのに時間がかかる」「同じ情報を何度も入力する」「回答待ちを見落とす」のどれが一番困るかを書き出すと、改善範囲を絞りやすくなります。
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